大阪池田市石橋駅の安い安心な雀荘なら麻雀ミラージュ | 今夜はイート・イット

今夜はイート・イット

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夜十一時、南方
この時間に来るといつだってこの街は妙な臭いに包まれている。
排ガス、吐瀉物、誰かが溢した酒の残り香。
異臭を放つ街はさながら蠢く化け物か。

片言でマッサージを勧めてくる女性や酒気帯びでハイになったきらびやかな若者達の群れを抜け
唯一南方でまともな匂いを放つ店の前に辿り着く。

人類みな麺類

濃厚な醤油スープの匂いが店外まで漂っている。
もう日付も変わる寸前だと言うのにまだ何人もの客が此処のラーメンを求めて並んでいる。

時間に余裕があるならこの店に入りたいが
生憎終電の事を考えると、並んでいる余裕は無い。
後ろ髪を引かれながら更に歩みを進める。

人類みな麺類から阪急線路沿いに歩いて1,2分といったところか
街の放つ異臭とはまた別の異臭を放つ店がある。

笑福

昨今の二郎系ラーメンブームの中で、大阪では割と早くから存在するラーメン屋だ。
寂れた券売機で食券を買い、カウンターに座る。

「ニンニクイレマスカ?」

片言の日本語で聞かれる

「ニンニクナシ、ヤサイアブラカラメマシで」

片言だってなんだっていいんだ
この店でのコミュニケーションなんてこれぐらいのものだろう。

店員は二人
厨房内での会話から韓国人だと分かる。

客はまばらに数人
いつ来ても似たような客層だ。
水商売の仕事明け、くたびれて肥えたサラリーマン、陰気そうな若者。
今日も隣でサラリーマンが汗を流しながらスマートフォンの画面を眺めているし
遠くでは若者二人が憲法改正の是非について話し合っている。
法学部の学生なのだそうだ。

そうこうしている間にラーメンが運ばれてくる

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デカい。
豚の餌とも形容されるこのラーメン、果たして食いきれるのだろうかと不安がよぎる。

先ずは野菜をスープに沈めつつ食していく
野菜の量を減らしつつその奥に沈んだ極太の麺を掘り出す
歯応えのある麺はもはやラーメンと定義されるものなのかどうかすら分からない
然し、一心不乱に野菜と麺を喰い進めていく

道半ばに達したかと云うところでチャーシューに手を出す
二郎系の特色とも言える肉厚で脂身の多いチャーシューは口にすると肉汁に溢れ一種の幸福を与えてくれるのだが
タイミングや己の力量を間違えると満腹感を一気に刺激しそれ以降の食事が単なる残飯処理になってしまうので注意が必要だ。

無事にチャーシューを食し、適切な幸福を得た後に再び麺と野菜に取り組む
道半ばを過ぎて喰らう麺もまた、味のあるものと言える。

そして、九割を食したかなとなったとき、再びチャーシューを頂く。
百里を行く者は九十を半ばとす。
武王の言葉とチャーシューを噛みしめ、最後に残る野菜と麺を食べ、この旅を終わらせる。

世にはスープまで飲み干してこそ二郎。と云うような過激派も居るには居るが、そこまではしない。
身を滅ぼしては元も子もない。

最後に、ジョッキになみなみ注がれた水を飲み干し、深く溜息をつく。
そして、御馳走様の一言と共に店を後にする。
ラーメン屋は歓談に励む場所では無い。食事を終えたらなるべく早く店を出るのだ。

外はすっかり蒸し暑く
これから来る大阪の夏を感じさせる

俺は耳にイヤホンを嵌め、再び阪急電車に乗り込む。

以上、レポっす。